1.景気回復、バブル期超え人材不足、賃金伸び悩み、経済財政白書

石原経済財政相は7月21日午前の閣議に、2017年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出した。現在の景気回復基調が「バブル期を超え、戦後3番目の長さになった」とし、バブル期並みの人手不足となる一方、賃金や物価の上昇は緩やかなものにとどまっていると指摘した。働き方改革と技術革新を同時に進め、賃金と雇用を拡大することが、持続的な経済成長に向けたカギになろうとしている

白書は、12年12月に始まり、戦後3番目の長さになった今回の景気拡大と、バブル期(1968年~91年)を比較し、人手不足について詳しく分析した。

今回の景気回復では、働き手の生産年齢人口(15~64歳)が年平均で1.2%ずつ減る中、仕事の見つけやすさの指標の有効求人倍率は、17年4月にバブル期の最高だった1.46倍を上回った。全地域で1倍を超えて推移している。

一方、人手は足りないのに、賃金の伸びは鈍い。1人の労働者が受け取る名目の賃金(従業員30人以上)は、バブル期は年平均で3.6%増えていたのに対し、今回は0.4%の伸びにとどまっている。物価変動の影響を除いた実質でも、バブル期の方が高い。背景として、白書はバブル崩壊後の景気低迷で、雇用を守るために、労働者側が人件費の抑制を受け入れざるを得ない状況が続いたと分析する。

石原氏は閣議後の記者会見で、「人を雇うのが難しくなっている。人材を確保しない限り、持続的な成長には結びつかない。働き方改革によって潜在成長率を高めるほか、技術革新も忘れてはいけない」と述べた。  (2017.7.21 読売新聞)

2.不動産マネー 世界で過熱、ファンドの資金調達額最高に!

世界の不動産市場にファンドマネーの流入が加速している。低金利下の運用難に悩む年金や金融機関からお金を集め、不動産やインフラを投資対象とするファンドは2017年上期に過去最高ペースの875億ドル(約10兆円)を調達した。ファンドの攻勢で不動産価格に過熱信号が点灯。金融引き締めに動き始めた米国など欧米主要国の中央銀行は価格高騰を警戒し始めた

ファンドマネーが日本の不動産市場に流入している。4月に香港ファンドのガウキャピタルが約850億円で取得した「みなとみらいセンタービル」(横浜市西区)もその一つ。今年上期の日本の不動産取引で最大案件となった。

ファンドが高値もいとわず不動産購入に突き進む裏には未曽有の低金利がある。不動産の利回りは06~07年より低いが、借入金利を引いた実質的な投資利回りは東京・大手町の大型物件で3%台。2%台だった当時に比べて高い。

背景には世界的な低金利の中で少しでも高い運用利回りを求める年金や金融機関の強い投資需要がある。ゆうちょ銀行は5~7年かけて資産の投資に振り向ける取り組みを昨年から始めた。清水時彦執行役員は「すぐに解約できない流動性のリスクを負う代わりに、債券や(株)よりも高い利回りをねらう」と説明する。

金融危機から9年続いた世界的な低金利で資産価格はすでに高くなっており、そこに低金利で膨張したファンドのマネーが流入しているのが今の構図だ。17年の日本の路線価は最も高い東京都中央区銀座「鳩居堂」前が前年比26%上昇し、バブル期の1992年を超えた。米商業用不動産の価格は、金融危機前の最高だった07年を2割超上回る。(2017.7.22 日本経済新聞)

3.マンション底入れの兆し、首都圏1~6月4年ぶり供給増!!

首都圏(1都3県)の新築マンション市況に底入れの兆しが出ている。不動産経済研究所(東京・新宿)が7月18日発表した2017年上半期(1~6月)の発売戸数は前年同期比1.9%増の1万4730戸と4年ぶりに上回った。東京都区部(23区)の高額物件がけん引し、今後も回復傾向が続く見通し。一方、停滞が続く郊外では東急不動産ホールディングス(HD)など各社は駅前物件の開発などで需要の掘り起こしに懸命だ。

「(昨秋からの)低調だった時期を脱した」。不動産経済研の松田忠司主任研究員は18日、市況の底入れを強調した。

エリア別でみると、東京都区部が5.4%増、東京都下(23区以外)が28.1%増と大きく伸びた。都区部では千代田区や港区では千代田区や港区などで売り出される1億円以上の「億ション」などの販売好調が続く。

「(家計に余裕のある)DINKS(共働きで子供のいない世帯)やシングル層を中心に都心居住の流れが続いている」と東京不動産HDの大隈郁仁社長は話す。都区部を中心に、交通などの利便性が高いエリアでのマンション需要は旺盛だ。

16年上半期の発売戸数が24年ぶりの低水準だったことも、底入れ感につながっている。不動産経済研は17年通年の首都圏の新築マンションの発売戸数も前年比6.2%増の3万8千戸前後と見込み、4年ぶりに前年を上回ると予測する。在庫の解消を優先して発売が後にずれていた新規の大型物件の供給が本格化するという。

都区部の好調さと対照的に郊外は苦戦が続く。2017年上半期(1~6月)の発売戸数は神奈川県(3.9%減)、埼玉県(14.9%減)、千葉県(12.7%減)と東京都下を除いて軒並み減少した。

背景にあるのが価格の高止まりだ。上半期における首都圏のマンション1戸当たりの平均価格は前年同期比で3.5%高の5884万円。上半期としては過去3番目に高い水準だ。

マンション大手の大京は首都圏郊外でも駅から徒歩10~15分以上かかる土地は原則として仕入れていない。2000年代にトップを維持していた供給戸数を大幅に減らしているが「確実に利益になる場合にしか今後も出さない方針」という。

消費者が購入した割合を示す契約率は17年1~6月の実績で67.3%と2年連続で好不調の分かれ目とされる70%を下回った。郊外物件は駅前物件などを除き、売れ行きの回復については不透明な部分が強い。(2017.7.19 日本経済新聞)

 

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