相続開始日以前20年間における建物の建築状況は、中高層の集合住宅が3件ある一方、戸建住宅の土地開発事例はない。また、容積率300%の地域であることを勘案すると、本件土地はマンション適地に該当するから、広大地に該当しないとした事例(関裁(諸)平27第6号 平成27年8月25日裁決)

1.本件土地の概要

本件土地は、地積1,092.12㎡で、昭和63年に建築された鉄筋コンクリート造地上4階建ての賃貸用集合住宅の敷地として使用されている。本件土地は、北側が幅員約8.5mの道路、東側が幅員約5.4mの道路に接面する角地である。本件土地の属する用途地域は準工業地域(建ぺい率60%、容積率300%)である。

2.審判所への判断

(1)マンション等の建築状況について

本件地域において、本件相続開始日から過去20年の間における本件土地と同規模の地積である土地に係る建物の建築状況は、中高層の集合住宅が建築された例が3事例ある一方、戸建分譲の土地開発事例はなかった。

これらの事情に照らせば、本件地域は、主として中高層の集合住宅用地として利用されている地域とはいえ、本件相続開始日後の建築状況(本件土地と同規模の地積である土地における戸建分譲の土地開発事例が1件ある一方、地積規模は小さいものの中高層の集合住宅が1件建築されている)を考慮しても、本件地域における土地の主たる利用状況に変化があったとはいえない。

(2)小括

以上によれば、本件土地は、主として中高層の集合住宅用地として利用されている地域に存し、その容積率および建ぺい率に加え、中高層の建物を建築することができないような開発規制もなく、居住用住宅用地に適した土地であることを総合的に勘案すれば、本件土地の最有効使用は、中高層の集合住宅等の敷地として一体的に利用することであると認めるのが相当である。

したがって、本件土地はマンション適地に該当するから、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地である道路を開設することの要否について検討するまでもなく、広大地に該当しないというべきである。

以上

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