本件土地内に新たに道路を開設して行う開発方法の方が、十分に合理性があるので、本件土地は広大地に該当するとした事例 (平成28年2月9日裁決 関信・公開)

1.本件土地の概要

本件土地は、市道に接面する地積613.37㎡の土地で、北西側で市道、北東側で位置指定道路にそれぞれ接面している。本件位置指定道路は、幅員4.0m延長38.55mとして位置の指定を受け、4名の第三者が共有する道路である。 本件土地の属する用途地域は、第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)である。本件地域は集合住宅や駐車場が散在するものの、主として戸建住宅用地として利用されている地域である。

2.審判所の判断

(1)広大地通達への当てはめ

(イ)広大地通達にいう「その地域」が本件地域であること、本件地域における標準的な宅地の地積が110㎡程度であること、地積が613.37 である本件土地が本件地域における「標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地」であることについて、いずれも当事者間に争いがない。

本件土地が広大地に該当するかの判断に当たっての基礎となる「その地域」とは、本件地域であると認めるのが相当である。また、本件地域における標準的な宅地の地積は110㎡程度であると認めるのが相当である。そして、本件土地の地積は613.37㎡であるから、本件土地が「その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地」であると認められる。

(ロ) 本件地域は、主として戸建住宅用地として利用されていることが認められるから、戸建住宅分譲用地として分割利用することを前提とした開発を行うことが、本件地域における土地の経済的に最も合理的な利用であると認められる。そして、請求人らが主張する開発想定図(別図2 下図参照)は、本件地域における標準的な宅地の地積(110㎡程度)を踏まえて、同地積に近似した面積によって整形に区画割する方法によるものであり、開発方法として十分な合理性を有するものであると認められる。

別図2 請求人ら主張の開発想定図

そうすると、本件土地は、広大地通達にいうその地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地に当たり、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められることから、本件土地は広大地として評価するのが相当である。

(ハ) この点について、原処分庁は、本件土地の開発想定は別図1(下図参照)によるべきであり、この場合には、本件位置指定道路の拡幅などが必要ではあるものの、広大地通達にいう公共公益的施設用地の負担は生じない旨主張する。

別図1 原処庁主張の開発想定図

確かに、本件位置指定道路を利用して行う戸建住宅の分譲は、本件土地の敷地内に新たな道路を開設して行う戸建住宅の分譲と比較して、より広い建築面積及び延床面積の建物等を建築することができることになるから、このような開発方法を想定すること自体の合理性が肯定されれば、原処分庁が主張する開発方法のほうが、経済的合理性に優れているといえる。

しかしながら、本件位置指定道路は、本件私道所有者らが所有するもので、被相続人及び請求人らは本件位置指定道路に係る権利を何ら有していない。そのため、本件位置指定道路を利用した開発の可否は、本件私道所有者らの意向に左右されるものであるところ、本件土地については、本件土地の敷地内に新たな道路を開設して行う開発方法(請求人ら主張の開発方法)が想定でき、十分合理性を有するものである以上、このような場合にまで、第三者の所有に係る土地を利用しての開発行為を想定することに合理性があるとはいえない

したがって、原処分庁の上記主張には理由がない

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